岩塩とは
岩塩とは鉱石となった塩化ナトリウム、つまり塩のことでロックソルトとも言います。ハロゲン化鉱物という鉱物に分類され、何も混ざっていなければ無色でガラスのような光沢を持っています。産地によっては桃白色や黄色、青色などいろいろな色になりますが、これはミネラルや硫黄、有機物が含まれることが主な原因です。塩分が濃縮して結晶化することでできるものですから、地殻変動などで海水が陸上に閉じ込められるなどして水分が蒸発したところに発生します。
アメリカ合衆国やドイツで多く採れ、他にもイタリアやスペインなどで採掘されています。食品や工業原料として使われることが多いですが、彫刻素材やシャンデリアの材料など美術品としての使用も可能です。また、ヨーロッパや北米で雪を解かすための融雪剤としてもかなりの割合で使われます。結晶は開運アイテムなどとしても使われ、遠赤外線効果で保温する働きもあります。
水に溶けにくいことが特徴で、精製塩よりも味に丸みやうま味があるのも特徴です。結晶であるという共通点を持つクリスタルソルトとも比較されますが、クリスタルソルトは太古の水が時間をかけて結晶化したものではなく、海水を塩田に入れて新たに結晶化させたものです。どちらかと言えばクリスタルソルトの方が水に溶けやすいとされています。
美容アイテムとしての岩塩
バスソルトや塩ブラジャーなど、塩を使った美容法がよく聞かれます。精製塩ではなく自然の力で作られた岩塩を用いるとよりよいとされ、理由としてミネラル分が多いということが挙げられます。岩塩を使った美容法にはいくつかの効果が話題となっています。
まずは身体を温める効果です。塩はお風呂に入れると身体を芯から温めてくれ、湯冷めしにくくなると言われます。また、角質を柔らかくして汚れを落としやすくなる働きをしたり、汗をかきやすくしたりして老廃物を排出するデトックス効果も期待できます。細胞の新陳代謝も促すと言われており、温まることで血行にも効果があります。
塩による引き締め効果もよく聞かれる作用です。バスソルトを入れたお風呂につかりながら脂肪が気になる部分をマッサージすることで部分痩せに効果が出るとも言われています。ボディーラインを整えるサポートに利用できます。引き締めるだけでなく保湿の働きも報告されています。みずみずしさを保つことでシワ予防も期待できるでしょう。
そして塩は古来清めの塩に使われるなど身体の内外の汚れ穢れを払うとされてきました。これは日本だけのことではなく、身近なところでは風水でもよく使われています。これに関連して岩塩にはリラックス効果やストレスの緩和などの働きもあるとされています。さらに、塩を使った入浴で厄落としをしている方もいます。岩塩はパワーストーンの浄化にも使われ、人体や心の浄化にも用いられるものです。
岩塩をバスソルトとして利用する方法
岩塩をバスソルトとして利用する際には、一般的な浴槽に対して40から50gの岩塩を入れます。もしもパッケージなどに注意書きがある場合はそれに従います。少量過ぎると効果が出ない場合もあるので注意しましょう。入れるタイミングとしてはお湯を張った後で、なるべく溶けるようによくかき混ぜてから15分程度を目安に入浴します。半身浴の場合も長時間ではなく30分程度に抑えるといいでしょう。よりリラックスしたい場合は好みで香油などを足すと癒やされます。この際注意点として浴槽の材質が大理石や木製である場合は使用を控えなければなりません。塩によって浴槽が傷つく可能性があるためです。また、浴槽に付属している循環器は銅が使われていることが多く、塩分によって劣化が早まる恐れがあります。そのため循環器を経由する追い炊き機能は使用を避けた方がいいでしょう。そして、塩分は傷にしみやすいため自分の身体に傷があったり日焼けがひどかったりという場合にも注意します。入浴が終わった後の注意点としてはきれいなお湯でよくすすぐことと、発汗しやすいため身体を冷やさないことです。
バスソルトに入った際には週2回程度ならマッサージをすることも美容に効果的だとされています。細かいの岩塩を大さじ1杯から2杯ほど用意し、お湯と合わせて腕や足などを中心に全身に滑らせて使います。岩塩は硬いので肌を傷つけないように力は入れ過ぎないことに注意しましょう。終わった後はしっかりと塩分を洗い流し、保湿に努めます。
身体を温める効果があるため足湯にも利用することができます。足湯であればバケツなどにお湯を張り、お湯に溶けきる小さじ一杯を目安に岩塩を加えます。お湯は足首までつかる程度にし、ソファなどに腰かけてつま先からゆっくりと足湯に浸すようにするのが基本です。20分ほどお湯を足しながら入るといいとされますが、その間は身体を冷やさないように温かい格好をするといいでしょう。足湯が終わった後もよく拭き、足元から冷えが来ないようにします。