翡翠・オパールについて
翡翠(ジェード)、硬玉と軟玉の違い
日本で昔から玉(ぎょく)と呼ばれています。
翡翠には硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)があり、見た目は似ていますがまったく別の鉱物です。
硬玉はヒスイ輝石、軟玉は角閃石(アンフィボール)という鉱物で、硬玉のみが宝石とされ 軟玉は彫刻などに使われるのが一般的です。
どちらも繊維状結晶が複雑に絡み合っている結晶構造なので靭性(粘り強さ)が強く、硬度は6~7とそれほどでもないですが、衝撃には相当強いです。
よく施される処理は表面の光沢を出す為に無色樹脂の含浸で、これは鑑別書に記載されることもありますが一般的に天然石と認められる改良処理です。
しかし、染色や有色樹脂含浸や漂白など天然と認められない改変処理や粗悪な処理をされているものも多いのが現状です。
【翡翠のフォールス・ネーム(紛らわしい間違った名前)】
オーストラリア翡翠 →クリソプレーズ
インド翡翠→アベンチュリン、クォーツアイト
コリアン・ジェード→サーペンティン(蛇紋岩)
アメリカン・ジェード→アイドクレーズ
アフリカ翡翠→ハイドロ・グリーン・グロシュラー・ガーネット
これらは類似石でもあります。
他に類似石はマウ・シト・シトと呼ばれる輝石。(翡翠輝石を含みますが長石成分の方が多いので翡翠とはされない)
わざと似せて売っているのは、クンツァイトを染色したもの。
オパール (蛋白石) Opalについて
珪酸化ゲルが長い年月を掛けて堆積して固まったもので、非晶質(結晶を作らず原子がバラバラな状態)でカルセドニーがジェル状になったような状態です。 つまり結晶化しなかった水晶と考えるとわかりやすいかと思います。 規則正しく並んだ微細なシリカ結晶によって光の回折が起こり遊色効果を起こすものがあります。 これはオーロラと同じメカニズムです。 遊色効果が出ているものを「プレシャス・オパール」出ていないものを「コモン・オパール」と言います。 【主なプレシャス・オパール】 オーストラリアのブラックオパール、ライト・オパール、ボルダー・オパール メキシコのファイヤー・オパール、ウォーター・オパール、カンテラ(母岩付き) オレゴンのハイドロフェーン・オパール(水により色が変わる特殊オパール) コモン・オパール ペルーのグリーン~ブルー・オパール 日本でも採れる白色のオパール アメリカのグレイッシュブルーのブルーオパール
※ピンクオパールと呼ばれるピンク色不透明の石について 「出回っているピンクオパールと言われているものはオパールではなく、パリゴルスカイト」 という断りがされているお店が多いですが、自社のビーズを鑑別に出したところ「ピンクオパール」でした。 パリゴルスカイトとは粘土質の繊維状または皮革状の鉱物で、これに石英が染み込んだものとピンクオパールはほとんど成分的に差がなく、ほぼ区別は付かないそうです。 クリストバライト(高温石英)を含む量が少し異なるだけで、どちらか分かれてしまいます。 鑑別機関で成分分析をしてやっと分かるくらいの僅かな差ですので、この2つをひっくるめてピンクオパールと呼んで差し支えないと思います。