隕石について

メテオライト(隕石)、ギベオン、カンポ・デル・シエロなどの隕石、テクタイト、モルダバイトリビアングラスなどといった天然ガラスには、宇宙から飛来した隕石系とされていますが、実際には下記のような違いがあります。

メテオライト(隕石)ついて

メテオライト(隕石)は宇宙から飛来し、大気圏を通っても燃え尽きなかった石や岩石のことです。
大きく分けて石質隕石(コンドライト)、鉄隕石(エコンドライト)、鉄石隕石(パラサイト)の3つがあり、地球に落下するのは石質隕石が多くを占めます。
下記の隕石は鉄隕石で、見た目も金属的です。メテオライトは地球にはない成分が含まれていることがあり、未知なる魅力があります。

ギベオン鉄隕石 (Gibeon Octahedrite )

1836年にナミビアのギベオンで発見された隕石。
成分的には鉄90%とニッケル8%で出来ている鉄ニッケル隕石(オクタヘドライト)で、硬度は9と硬くニッケル含有量が多い為に普通の鉄よりは錆びにくいです。
独特の網目模様は‘ウィドマンシュテッテン構造’と呼ばれ、ニッケル鉄合金が750℃以上の超高温で分離した後に長い時間を掛けて冷却された証です。
この模様ができるためには100万年に1℃という途方もなくスローペースな冷却をされないとできないため、人為的には作れないということが科学的に証明されています。
酸につけてニッケル含有率の少ないところを溶かすことにより、綺麗にウィドマンシュテッテン模様が出るようです。 ギベオン鉄隕石 の商品についてはこちら

カンポ・デル・シエロ隕石 (Campo del cielo)

1576年にアルゼンチン北部のグランチャコで発見された鉄ニッケル隕石(オクタヘドライト)。 鉄やニッケルの他にガリウム・イリジウム・ゲルマニウムなども含みます。
ネイティブ・アメリカンの「空から巨大な鉄が降ってきた」という言い伝えの元、探検家が発見したことからスペイン語で「空の原」という意味のこの名前が付けられました
多くの鉄質隕石と同様にウィドマンシュテッテン構造を示しますが、ギベオン隕石が網目状なのに対してこの隕石はモザイク状です。

テクタイトやモルダバイト

これらは大気圏を通った形跡があるため 隕石と言われて来ましたが、近年の一番有力な説では隕石が落ちた衝撃で大気圏まで飛ばされて地球へと戻ってきた岩が急激な熱と冷却でガラスとなったものだということです。
ですので、正確には隕石ではなく、隕石に関わりが深い天然ガラスということになります。

モルダバイト(Moldavite)

モルダバイトは深い緑が美しい天然ガラスです。
同じ隕石関連の天然ガラスであるテクタイトは世界中で発見されていますが、モルダバイトはチェコのモルダウ河周辺でのみ採れます。
成分に宇宙由来の稀少元素が含まれていることから、長い間、宇宙から飛来した隕石だと思われていましたが、現在最も有力な説では隕石が衝突した衝撃によりできた天然ガラスだということです。
1480万年前に巨大隕石がチェコに衝突し、その衝撃で周りの土壌が飛ばされた時に一緒に飛ばされた隕石の一部を取り込んでガラスとして固まったために稀少元素が入っているのだろうと推測されます。
また、その稀少元素を含んだ為に、数あるテクタイトの中でモルダバイトだけが独特のボトルグリーンを示すのだと思われます。
隕石衝突時の高温で地盤の石英質が溶かされ、衝撃で空高くに飛び、急激に固まってモルダバイトは出来たのだとされています。
空中を飛来したために表面に独特のでこぼこ模様が形成されています。

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人工ガラスとオブシディアンとモルダバイトの違い

紀元前4000年以上前の古代エジプトではすでにガラスを溶かして加工していたようで、人工ガラスの歴史は長いです。
ガラスは色とりどりの色を付けられることから、宝飾品として重宝されていたようです。 日本でも七宝の中のひとつとされています。
日本の七宝は「金、銀、瑠璃、玻璃(はり)、瑪瑙、真珠、珊瑚」で、玻璃はガラスのことです。
モルダバイトはガラスですので人工のガラスと特性はほぼ同じ、ぱっと見は判別しづらいということもありまして、ガラスの模造品も多く見られます。
ガラス、オブシディアン、モルダバイト、この3つは生成のされ方が異なりますので、その証拠が残ります。

人工ガラスは種類にもよりますが、1000℃以下で溶かされ生成されます。
火山性ガラスはだいたい1000℃前後、結晶化すれば石英ですが、結晶化する時間がなく固まったものです。他の鉱物を含むこともあります。
モルダバイトは2000℃の高温で溶かされたと予測されます。
高温溶融の為、内部に独特の蜂蜜をかき回したような渦模様が見えます。
この模様は人工や火山性のガラスにはありませんので、モルダバイトの証拠となります。

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