インドの鉱物について
沸石(Zeolite)について 産地:インド、マハーラシュトラ州、プーナ産 【珪酸塩鉱物】 沸石は水を含む珪酸塩鉱物です。珪素を一部アルミニウムに置き換えています。 アルミニウムと水と珪素は沸石の絶対条件です。 水を含むために、熱すると水分が沸騰したみたいになるので沸石と呼ばれます。 沸石は鉱物グループの中でも大家族で50種類以上に分類され、年々新しい沸石が増えています。 基本的に見た目が似ているものが多く肉眼では断定できないものも一部ありますが、特徴さえしっかり見つけ出せばだいたいは見た目の判別が可能です。 インドは沸石王国と言われ、多彩な沸石を産出します。 沸石はイオンを吸着する性質や、イオン置換をする性質から、合成されて工業的にも多く利用されています。(水の軟水化、肥料、化粧品、消臭、ホルムアルデヒトの吸着など
【束沸石 Stilbite】 束ねられたような形、先端はベース型です。
【輝沸石 Heulandite】 菱形(ひしがた)の薄い結晶が幾重にも重なっているのですが、重なっている面がとても強い光沢を発してキラキラ光ります。正面の菱形部分は真珠光沢です。
【スコレス沸石 Scolecite】 直線状の長い結晶が集合しています。 結晶は平たいです。
【ステラ沸石 Stellerite】 両側に広がっていくような結晶集合体で、束沸石とは結晶系が異なりますが成分的にも差がほとんどないので、肉眼での判断は難しいです。束沸石と同じような結晶ですが、束にはならず集合してこんもりとドーム状になっていることが多いです。

アポフィライト 魚眼石 Apophyliteについて 産地:インド、マハーラシュトラ州、プーナ産 一見、水晶に似ていて水晶よりもキラキラする結晶だな、と思うとアポフィライトの場合が多いです。 無色透明のアポフィライトは鏡面のように光を反射して輝きますし、黄緑のアポフィライトはとても優しい色です。結晶の形も美しく、最近とても人気が出ている石のひとつです。 硬度が5、劈開性(へきかいせい)があり結晶の成長方向と垂直に割れやすく加工や宝石などには向かないです。 四角柱か角が折れた四角柱の形をしている結晶は、結晶先端がスパッとわれてしまったものです。他の面とは違った真珠光沢が見えると思います。 しかし、この劈開性のために結晶は欠けたりせずに、その面は若干真珠光沢があるものの綺麗な平面ですので、ダメージを受けても結晶の形はいつまでも綺麗という金太郎飴的な石です。 逆に言うと、この性質が顕著なために綺麗な尖ったままの状態を維持している結晶は珍しくなってしまいます。 西洋では白い光を”fish eye“と表現することからアポフィライトはフィッシュアイ ストーンと呼ばれていまして、それが和名の魚眼石の命名になりました。 ギリシア語でapoは離れるphyは葉っぱのことで、アポフィライトが熱により雲母のように剥がれる性質があることからです。 光沢が強くピカッと美しく光るのがアポフィライトの魅力です。 柱状、先端がシャープな結晶の形も美しさのひとつでしょう。 バナジウムを含んだアポフィライトは爽やかな美しい黄緑色をしています。