天然石等の取り扱い注意事項
天然石は様々な特性があり、弱点もあります。天然石を綺麗なままでいつまでも楽しむ為に、以下のことには気をつけてください。 硬度、衝撃、汗などの酸、水や湿気、熱、乾燥、紫外線、超音波、その他、人体への影響
硬度や衝撃に対する事について
硬度(擦れ)について
硬度が異なる石を一緒にすると擦れ合って傷が付く場合があります。個別に保管しましょう。
また、ブレスの場合でも極端に硬度の異なる石を隣同士にすると傷が付く場合があります。
硬度が6以下の石は扱いに気をつけましょう。
モース硬度
10:ダイヤモンド 9:サファイア、ルビー 8:トパーズ
7.5~8:ベリル 7~7.5:トルマリン、アルマンディンガーネット
7:石英 6.5~7:ペリドート
6:ムーンストーン、ラブラドライト、アマゾナイト
5~6:ソーダライト、ラピスラズリ、ターコイズ、オパール
5:アパタイト 4.5~5:ラリマー 4:フローライト
3~3.5:カルサイト セレスタイト、ハウライト、ロードクロサイト
2:セラフィナイト、セレナイト 1:滑石
衝撃に対する強さ(靭性)について
硬さとは別に衝撃に対する強度も、石が傷つかない為には知っておく必要があります
劈開性を持つ石は割れやすく、ぶつけたりしないように注意が必要です。
劈開性がない石でも、強い衝撃を受ければ欠けてしまいます。中に内包物が多い石も割れる可能性があるので気をつけるべきでしょう。
劈開性が明瞭な石
カルサイト、ロードクロサイト、クンツァイト、トパーズ、ムーンストーンやアマゾナイトなどの長石、フローライト、カイヤナイトなど。
内包物のために気をつけるべき石・・・内包物が多い石全般、特に水が入っているもの
脆い性質がある石・・・エメラルド、ラピスラズリ
水分や熱、乾燥について
汗や塩などの酸
マラカイト、カルサイト、ロードクロサイト、真珠、珊瑚などは酸に溶けますので、汗が付いた場合は拭いた方がいいです。
パイライト、ヘマタイト、ギベオン隕石などは鉄分を多く含むため、酸で錆びてしまいます。
ペリドートは汗くらいなら平気ですが、ヘアスプレーやお酢には気をつけて下さい。
◆水や湿気
ビーズやルースの場合、表面に樹脂コーティングがしてある可能性がある石は樹脂が剥げる場合があります
→ターコイズ、ラピスラズリ、ロードクロサイト、翡翠、エメラルド、セラフィナイト
多孔質の石は水分を吸収してしまい、色が悪くなる可能性があります。
→ターコイズ、ラピスラズリ、珊瑚、真珠、沸石、ラリマー
染色がされている石は色が抜けてしまいます
→マグネサイトの青色染色タイプ、染色メノウ、染めサンゴ
水溶性の石は湿気にも気をつけましょう
→岩塩、モットラム石、胆礬
熱に弱い石
熱に弱くない石でも、100度以上の高温は石の性質や色を変えてしまう可能性があります。水分を含む石と高温に弱い石は特に気をつけましょう
→ラリマー、ターコイズ、沸石、真珠、琥珀、水入りメノウ、珊瑚
樹脂コーティングされている石は樹脂が溶け出してしまう可能性があります。
→ターコイズ、セラフィナイト、ロードクロサイト、ラピスラズリ
乾燥に弱い石
水分を多く含む石は乾燥でヒビが入ったり、変質してしまいます。
→オパール、沸石、ターコイズ
紫外線や超音波について
紫外線に弱い石
褪色してしまう可能性がありますので、強い日差しやライトに長時間当てるのは避けましょう。
→アメジスト、ローズクォーツ、クンツァイト、ターコイズ、ジルコン、鶏冠石
超音波
眼鏡店やジュエリー店にある超音波洗浄器は細かい汚れが取れて、特に細かい細工がされているジュエリー。劈開が強い石や脆い石、水分を多く含む石、水に弱い石
→エメラルド、トパーズ、
その他について
その他
ダイヤモンドは親油性があるので、皮脂油でも曇ってしまいます。中性洗剤で洗うと油分が取れて、輝きが戻ります。
取り扱いによっては人体に影響のある石
昔は、石薬と言って石を粉にして薬として飲んでいました。
今でも、ドロマイトなどはよくサプリメントに使われていますし、岩塩は料理に欠かせませんが、産出状態によっては他の有害な物質を含んでいる可能性もありますので止めた方がいいでしょう。食用と書いてある場合にのみにしましょう。
放射性鉱物というものは自然下では多いですが、抽出して濃縮させない限り人体に影響があるレベルではありません。
ブルー・トパーズなど放射線により色を変えた石も、残留放射能はほとんどないです。
しかし、放射性鉱物のみを大量に集めて一箇所に置くのは危険です。
ウランを含む石は美しく蛍光したり、放射線によりメタミクトが起こり色が変わるなど面白い特性もあるので魅力的ですが、自分なりにわきまえて蒐集しましょう。
触った後は手を洗わなくてはいけない石もあります。もちろん口に入れては危険です。
→胆礬(硫酸銅でできているため)、辰砂(水銀を含むため)