北米の鉱物について
ヘミモルファイト(異極鉱)Hemimorphite 珪酸塩鉱物 硬度:4.5~5 産地:メキシコ 注意:硬度、劈開性あり。葡萄状青色のものはスミソナイト(菱亜鉛鉱)と類似 アピール:特徴的な結晶の形、特異な電磁性質、繊細で霜柱のような結晶の集合体 霜柱のように透明且つクリアで繊細な結晶です。 結晶の上下で結晶形が異なり、両先端が+と-に分かれ電荷を帯びることから「異極」の名前が付きました。 実際にクラスターを見てみると、先端がフラットな結晶と尖っている結晶があります。 その特性の為、熱や圧力により電荷を帯びます(焦電性と圧電性)。 平板状の無色透明クラスター、または葡萄状の水色不透明~半透明石が主です。 母岩はリモナイト(褐鉄鉱)、結晶に付いている葡萄状黄色の鉱物はミメット鉱というアパタイトの一種の鉱物です。
ウルフェナイト(モリブデン鉛鉱/水鉛鉛鉱)Wulfenite モリブデン酸塩鉱物 硬度:2.5~3 産地:メキシコ、チワワ州 注意:カルサイトと同じくらい軟らかい。 アピール:ダイヤモンドに近い高い輝き。鮮やかな帯赤橙。 鮮やかな赤味を帯びたオレンジで、輝きの強さが特徴です。 強い輝きの石は硬いイメージがありますが、この石は硬度3と軟らかい為に注意が必要です。宝石としての魅力を十分に持っていますが硬度に不安があるため、滅多にカット研磨されません。そのかわり、鉱物標本としてとても人気がある石です。 モリブデンの重要鉱石で、モリブデンとは合金やエンジンオイルに使われる元素です。
コバルタイト(輝コバルト鉱)Cobaltite 硫化鉱物 硬度:5.5 産地:カナダ、ケベック州 アピール:独特の赤味を帯びる銀白色、ずっしり重い コバルトの重要な鉱石で、1mmほどの小さな結晶の集合体です。 稀に大きな結晶は黄鉄鉱のような立方体や十二面体で産出します。 赤味のある銀白色が特徴で、所々付いている不透明白~ピンクのところはコバルト華(こばるとか)という鉱物です。
ユーディアライト(ユージアル石)Eudialyte 珪酸塩鉱物 硬度:5.5 産地:カナダ、ケベック州 注意:酸に弱いので、汗にも注意 アピール:多種の複雑な成分による他にはない色。深く鮮やかなピンク。結晶が大きいほど稀 19世紀初頭にグリーンランドで発見され、以来、ロシアやカナダ、アラスカなど寒い地方で産出されます。 鮮やかで深いピンクは、勇敢な戦士の血に例えられお守りとして古来から重宝されました。化学組成が複雑で12種類の主成分から構成され、ジルコニウムやイットリウムなどの稀土類も含みます。 石の名前はギリシア語で「良く分解する」という意味で、酸に溶けやすい性質からです。
ブルースキャポライト(柱石)Blue Scapolite 珪酸塩鉱物 柱石グループ 硬度:6 産地:カナダ、ケベック州 アピール:美しい色合いで宝石の条件を満たす石、これから人気が出る可能性大 スキャポライトは多彩な美しい色合いを示す石です。 いまいち知名度がないのは折角の美しい色が水晶のカラーバリエーションと被っているところが多いからですが、最近は水晶と少し異なった色合いも見られ、人気になる可能性を秘めた石です。 スキャポライトは実は鉱物グループ名で、成分比によりタイプが分かれますが、見た目で判断できないので区別されることはまずないです。 Scapoとはギリシア語で「棒」。和名の柱石からもわかるように長い柱状の結晶で産出されます。