鮮やかな色彩あふれる、見事な不動明王の立像です。

材質は、高級銘木として知られる柘植（つげ）。
すべて手彫りで、表情も細かく丁寧に彫り上げられ、さらに色鮮やかな彩色が加えられています。
注目していただきたいのは、不動明王の身体の色。濃い青色に染められています。
不動明王の身体は「醜い青黒い色をしている」と伝えられています。理由は、不動明王は「あらゆる存在を救うため、自らの身体を汚すことも厭わない」からです。
「自分はどんなに汚れようと、民衆を救う！」
その堅固な意志の現れが、不動明王の青黒い肌というわけです。

光背（背後の炎）の色は、赤色に金色が混じり、燃え盛る勢いがよりリアルに感じられます。
煩悩を断ち切る剣、左手に握られれた羂索（けんさく/けんじゃく）は金色に輝いています。

高さ12センチと小ぶりの像ですが、表情は豊かで、眼光鋭く、邪悪を撃退し、困難に陥った者を力づくで救おうとする気迫がヒシヒシと伝わってきます。

日常の守護者としてはもちろん、困難や障害に遭遇して身動きが取れない時、この像に祈願すれば、突破口を開いてくれるかも知れません。
ぜひ身近にお飾りください。
【不動明王とは】
密教の本尊である大日如来の化身。
大日如来は、普段は柔和なお姿です。
しかしそれでは、煩悩に浸る庶民を救うことができないと考え、あえて憤怒（怒り）と炎を持って現れた、それが不動明王です。
日本では「お不動さん」と呼ばれ、古くから庶民の間で根強い信仰があります。
深く信仰される理由は、煩悩を抱える庶民をも力ずくで救い、邪悪を撃退し、諸々の願いを叶えてくれるとされるため。
その名の通り、いかなる邪悪や苦難に対しても動揺しない「不動の救済者」です。