石の名称について

石の名称には様々な由来と時代の移り変わりが影響することが多いとされています。 全く同じ石なのに名前だけ変わってしまうものや昔も今も不変の石が存在するなど、石の名称は知れば知るほど奥が深いものなのです。

石の名称について

鉱物名と宝石名

鉱物名は鉱物学会で成分分析を経て決定され、世界的に統一されています。しかし、宝石名は明確な基準がなく、自由な呼び名で呼ぶことが出来ます。宝石名は同じ鉱物でも色の違いや特徴の違いで名前が変わりますので、変種名とも言われます。
コランダムという鉱物の赤のみをルビーと呼び、青・黄色・白など赤以外をサファイアと呼びます。この場合、コランダムが鉱物名でルビーとサファイアが宝石名(変種名)となります。
鉱物名は化学組成で決められていますが、宝石名は色など見た目でわけていますので便利な場合も多いです。鉱物グループの中で、エメラルド、アクアマリンなどのように個別の名前がついていない場合は、イエロー・ベリルなど色名+鉱物グループ名で呼ぶ場合が多いです。

(例)
鉱物名:コランダム(赤)宝石名:ルビー
鉱物名:コランダム(赤以外)宝石名:色名+サファイア
鉱物名:スポジューメン(ピンク)宝石名:クンツァイト
鉱物名:ベリル(水色)宝石名:アクアマリン

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間違った名前(フォールスネーム)

石の歴史は紀元前からと古く、特性により判別されていなかった時代は、赤い透明石はすべてルビー、青はサファイア、緑はエ メラルドと一概に呼んでいました。研究が進む中で、石の名前や分類が変わってしまうことも多々あります。
それでも、元々呼ばれていた名前が広まっている場合は、簡単に新しい名前は広まらず紛らわしくなってしまいます。知らずに古い名前で売っているという場合もよくあります。

別の石に似ている為にその石の名前を借りたまま広まってしまった石もたくさんあります。特に人気と知名度がある石の名前を借りることが多いです。それでも元々呼ばれている名前が広まっている場合は、簡単に新しい名前が広まらず、紛らわしくなっています。 産地を冠した石名は怪しい場合が多々あります。

(例)
インド翡翠⇒グリーン・アベンチュリン・クォーツァイト(含クロム雲母珪岩)
シトリントパーズ⇒シトリン
ウォーター・サファイア⇒アイオライト
イブニング・エメラルド⇒ペリドート

故意の場合と自然にそうなってしまったものがありますが、どちらにせよ紛らわしい名前は避けるべきです。

近年分類や石名が変わった鉱物名・宝石名
 レインボームーンストーン⇒ホワイトラブラドライト

いつのまにか名前だけそのままに違う鉱物が置き換わって流通してしまったもの
 ハウライト⇒マグネサイト

ハウライトが高価になったために、安価でそっくりなマグネサイトが使われるようになりました。現在、ハウライトは大理石よりも高価です。


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パワーストーン名

アゼツライト、レムリアンシード、メタモルフォーゼス、スーパーセブン・・・
近頃話題で、よく耳にする石名ですが、これはパワーストーンとしての名前で、鉱物学的には石英です。

基準は明確ではなく名前を付けた人や登録商標に準じます。石に対する名前ではなく、パワーに対する名前です。

たとえば、ヒーラーの方がhelmsiteと名付けた水晶があるとします。
名付けた方が、全然違う産地の違う色の水晶を指して「これもhelmsiteと同じパワーを感じる」と思えば、その水晶もhelmsiteとされたりします。 鉱物的な理論は、まったく関係ありません。


【代表的なパワーストーン名】


▼アゼツライト→水晶
定義:定義は不明。名付けの方が宇宙を感じた水晶だそうです。白色か薄ピンクで白濁気味。 産地はノースカロライナ州、バーモント州、インドのサチャロカ等。

▼レムリアンシード→水晶
定義:ブラジル、ミナス・ジェライス州カブラウ山脈で採れたバーコード状の成長結晶が深く刻まれたシングルポイントの水晶。

▼メタモルフォーゼス→水晶
定義:ブラジル、ジアマンチーナで採れる乳白色の水晶で、γ線を当てた後に高温加熱すると色が変わるとか。

スーパーセブン→アメシストなどを含む水晶
定義:水晶をベースに、煙水晶、アメシスト、カコクセン石、レピドロクロサイト、ゲーサイト、ヘマタイトなど7つの鉱物が含まれている石のこと。

▼ティファニーストーン(流通名)
フローライトとオパールが混じった石。アイスクリームオパライトなどとも言われています。