化石・アンモライトについて

化石とは、はるか昔の地質時代に生息していた生物、植物などが死骸となって永く残っていたもの、または活動の痕跡を指します。化石の多くは古い地層の中の堆積岩において世界中から発見されています。

各化石について

【地質年代表】


【オルソセラス(直角貝)Orthoceras モロッコ、サハラ砂漠産】
およそ4億年前のデボン紀に生存していた貝を持つ頭足類でイカやタコの仲間です。 オルソセラスとは直角貝という意味で、小さく先細りのまっすぐな貝を持ちます。 この真っ直ぐな貝が丸まる事により、オウムガイへと進化したと言われています。 化石では白黒のハッキリした縞模様のコントラストが綺麗で人気です。

【モササウルス Mosasaurusモロッコ産】
有鱗目・トカゲ亜目・モササウルス科 白亜記後期(2000万年前)に出現した海棲の爬虫類モササウルス科の総称で、体長は8m~15mと巨大。 現在のオオトカゲに近いが、顔はワニで身体は細長くにょろにょろと泳ぎ、歯は鋭く生え揃い海中の魚やイカを食していました。分類上は恐竜ではありませんが、同じ時代に生きた生き物です。 名前はマウサ河のトカゲという意味です。

【リエリセラス lyllecerasペルー産】
リエリセラスは白亜紀に棲息したアンモナイトです。 アンモナイトは何億年にも渡って棲息し、環境に応じて少しずつ生態や形が変化したので何十万という種類がいたといわれています。 実際ひとつの場所で地層により何百種類と発見されたりします。 アンモナイトの化石は貝の巻き方、肋や突起物の形、周りの土壌や環境を踏まえて分類されます。 リエリセラスの特徴は竜骨と呼ばれる貝の背の突起と肋の凹凸、それと土壌の環境により黒い化石となることです。

【ゴニアタイトGoniatites モロッコ産】
デボン後期に棲息していたアンモナイトの一種で、巻貝を持っていますが身体はイカのような頭足類です。 白い部分は化石の一部が方解石化したもので、きらきらと綺麗です。

アンモライトについて

約4億年という遠い昔に誕生し、3億5千年以上も生息していたアンモナイト。 そのアンモナイトの化石が7000年の時を経て、美しい虹色を放つ宝石「アンモライト」として発掘されています。光を反射して虹のように7色の光を見せ、美しい宝石として世界的に認められています。

アンモナイト自体は世界各地に生息したために化石も多く発掘されますが、虹色に輝くアンモライトは限られた地域でしか産出されず、特に美しい最高級のものはカナダアルバータ州でしか採れません。

虹色と表現されるイリデッセンスは光の干渉によるもので、薄く重なり合ったアラゴナイトの各層から光が反射され一定の光が強められたり弱められたりするために、一部の色が強く出ます。 これは真珠に浮かぶ光と同じメカニズムですが、真珠の優しい光とは対照的に、強く印象的な美しさです。

層状のアラゴナイトと言いましても、一枚は何ミクロンという薄さで層全体でも1mm以下です。 しかし、この1mm以下のアラゴナイトが奇跡的な美しさを作り出しています。 普通、CaCO3であるアラゴナイトは同じCaCO3のカルサイトの方が安定していますので、カルサイトに変化をしていってしまいます。 ですが、地中深くに埋まっていたためにアラゴナイトを維持でき、そのために美しい虹色を示します。 紫外線に長く当たると色は悪くなりますし、地中の中に埋まっていても地質の変化や化学変化により変質してしまうものも多くあります。 そのため、美しいままで掘り出されるアンモライトは稀少で、人間が生まれる遥か昔の地球を物語る化石であると同時に貴重な宝石です。