処理石、人工石などについて

石に施されている処理

現在流通している石はなんらかの処理が行われているものが多いです。明らかにわざとらしい着色から、精巧な騙すための処理、硬度が不安なために仕方なく施す処理と種類や目的も多岐に渡ります。その中でも鑑別に出しても「天然」と認められるものと、天然の石でも処理によっては天然と認められないものもあります。

【天然と認められる処理】
改良(エンハンスメント)という言われ方もします。基本的に石のもともと持っている要因を引き出すような処理や強度を高めるもので、効果が半永久的なもの。これらは施されていても鑑別機関で天然と認められ、「天然サファイア 通常、色の改良の為加熱処理が施されています」という風に書かれます。

  • ・ターコイズ、セラフィナイト、ラピスラズリなど硬度が低い石の強度を上げる為に無色樹脂を含浸させる。(有色樹脂の場合は天然と認められない)
  • ・アクアマリン、サファイア、トルマリンなどを加熱して色味を調える。

【天然とは認められない処理】
改変(トリートメント)という言われ方もします。石の元々の要因に関係なく、無理やり変えてしまうことです。安定した処理ではなく、時間が経つにつれて色が戻ったりするものもあります。鑑別書でも石の名前の前に「処理石」と書かれます。

  • ・有色材による染色やコーティング放射線
  • ・処理による色の改変
  • ・金属高温癒着による拡散処理コーティング
  • ・微小な穴を開けて内包物を取り出し無色材を入れて目立たなくする充填処理
  • ・オパールの地色を濃くする為の砂糖処理

合成・人工・模造の石

【合成石】
天然と同じ化学組成の石を人が作ったものです。天然とまったく同じ化学組成を持ちますが、自然に作られた石より短い時間で作る為に特徴的な色帯や気泡が存在したり、天然の内包物が入っていなくて綺麗すぎたりするので判別できます。

【人造石】
天然にはない化学組成の石を合成した場合は人造石となります。ダイヤモンドの代替品として使われる場合がほとんどです。キュービック・ジルコニアがこれにあたります。

【模造】
天然の石を似せて他のもので人が作ったものです。粗悪なものも多いですが、見分けがつかない精巧なものもあります。ゴールドストーン、プラスチックの琥珀や鼈甲や真珠などや、張り合わせたオパール、圧縮加工した琥珀やターコイズ、鉛を含有させて屈折率をあげたガラスなどがこれにあたります。

【合成石】
天然と同じ化学組成の石を人が作ったもの。天然とまったく同じ化学組成を持ちますが、自然に作られた石より短い時間で作る為に特徴的な色帯や気泡が存在したり、天然の内包物が入っていなくて綺麗すぎたりするので判別できます。

類似石

色や形など似通った石同士は類似石となりえます。ダイヤモンドは白色透明の石すべてが類似石となります。同じ化学組成で色だけが違う場合は類質同像。(エメラルドとアクアマリンなど)化学組成が同じで結晶系が違う場合は同質異像、または多形と言います。(カルサイトとアラゴナイト、ダイヤモンドと石墨など)